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旧共栄書房(有限会社共栄書房)の本は、復刻したものを除いて、すべて品切れです。

 

 


新刊案内

ほんとうの教育をとりもどす
生きる力をはぐくむ授業への挑戦

前屋 毅
ISBN ISBN978-4-7634-1072-6 C0037 本体価格 1500円
判型 四六判並製 192頁 発行日 2016.12

誤解され、骨抜きにされた「ゆとり教育」
置き去りにされた本質を求めて模索する、
教師たちの奮闘

全国学力テストに代表される点数至上主義に流されず、本当の意味で子どもを成長させる授業を追い求める、教師たちの実践。
上意下達の教育行政に蹂躙されながら、理想を追って模索し続ける現場に迫る──

主な目次
第1章 「自ら学ぶ力」のために──山市の教育改革
第2章 「総合的な学習の時間」をめぐって――長野小学校に受け継がれる意志
第3章 終わりなき模索──伊那小の総合学習・総合活動
第4章 学習塾の手法導入と山村留学──北相木小学校の学校づくり
第5章 そこに、教員の情熱はあるか──東京都杉並区と佐賀県武雄市

前屋 毅(まえや・つよし)
フリージャーナリスト。1954年、鹿児島県生まれ。法政大学第二社会学部卒業。立花隆氏や田原総一郎氏の取材スタッフ、『週刊ポスト』記者を経てフリーに。経済、社会、教育の問題をテーマに取り組んでいる。著書に『シェア神話の崩壊』『グローバルスタンダードという妖怪』『洋上の達人──海上保安庁の研究』『学校が学習塾にのみこまれる日』『日本の小さな大企業』などがある。

 


 

医療大崩壊
もう、クスリはのめない 医者にはいけない

船瀬俊介
ISBN 978-4-7634-1071-9 C0036 本体価格 1500円
判型 四六判並製 256頁 発行日 2016.11

医者とクスリから「身を守る」ために
メディアも続々と医療批判……やっと気づき始めた!

●ガン検診、ガン治療 受けた人ほど早く死ぬワケ
●ガンの「超早期発見」は病人狩りビジネス、「超早期死亡」になるだけ
●医者はなぜこんなに大量のクスリを出すのか
●じつは欠陥、危険だらけの腹腔鏡手術
●人口透析は8割不要 患者一人、年500万円の荒稼ぎ
●高血圧治療で死亡率5倍に急増!
●市販薬を徹底調査 副作用がこんなに怖い!
●医療マフィアが国家財政を食いつぶす 高額医療のワナ
●ロックフェラーは、クスリを飲まない

主な目次
第1章 医療は、死神にハイジャックされた
第2章 病院に、カネと命は、奪われる
第3章 「検診」は、病人狩りの"仕掛けワナ"
第4章 ガン治療、受けなきゃ4倍、長生きする
第5章 こんな「手術」は受けてはいけない
第6章 クスリは"毒"だ! もう飲むな
第7章 テレビCM、市販薬も、飲んではいけない
第8章 誘われ、だまされ、あの世いき

船瀬俊介(ふなせ・しゅんすけ)
1950年、福岡県生まれ。九大理学部を経て、早大文学部社会学科卒業。日本消費者連盟スタッフとして活動の後、1985年、独立。以来、消費・環境問題を中心に執筆、評論、講演活動を行う。主なテーマは「医・食・住」から文明批評にまで及ぶ。主な著作に『抗ガン剤で殺される』、『笑いの免疫学』、『抗ガン剤の悪夢』、『病院に行かずに「治す」ガン療法』、『アメリカ食は早死にする』、『ショック!やっぱりあぶない電磁波』、『和食の底力』、『STAP細胞の正体』(以上、花伝社)、『クスリは飲んではいけない!?』、『ガン検診は受けてはいけない!?』、『「長生き」したければ食べてはいけない!?』、『放射能汚染だまされてはいけない!?』(徳間書店)、『病院で殺される』、『3日食べなきゃ7割治る』、『やってみました!1日1食』(三五館)、『できる男は超少食』(主婦の友社)などがベストセラーに。

 


 

買うな!使うな! 身近に潜む
アブナイもの PART②
 

船瀬俊介
ISBN 978-4-7634-1070-2 C0077 本体価格 1500円
判型 四六判並製 256頁 発行日 2016.3

大好評第2弾!!

知らないことは、罪です

●ペットボトル茶は飲むな! 果物はやめろ! ネオニコチノイド農薬で心が狂う!
●市販茶は、もう飲めない?──屈強なスポーツマンもトイレで気絶……!
●歯磨きでむし歯は防げない!?──間違いだらけ「歯の常識」 
●フッ素加工フライパンは危険! 微量で発ガン、けいれん、脳障害
●あぶない!〝ファブリーズ〟──「危険成分」でゴキブリも死ぬ
●パブロン一錠で殺された! SJS症候群の恐怖
●「抗うつ剤」が自殺を増やす! さらに「攻撃性」で犯罪増、即禁止せよ
●エボラ騒動とワクチン強制 深まる〝生物兵器〟疑惑
●老人は薬から遠ざかれ! お年寄りの隠れた死因は〝薬害死〟だ

主な目次
1 食品があぶない
2 身近に毒があふれている
3 知っていますか? 皮ふから侵される〝経皮毒〟
4 こっけい、飲むな! 危険な市販薬
5 ワクチンの闇──「それは生物兵器である」
6 放射能被害はこれからどう出る?
7 現代医療は大崩壊している

船瀬俊介(ふなせ・しゅんすけ)
1950年、福岡県生まれ。九大理学部を経て、早大文学部社会学科卒業。日本消費者連盟スタッフとして活動の後、1985年、独立。以来、消費・環境問題を中心に執筆、評論、講演活動を行う。主なテーマは「医・食・住」から文明批評にまで及ぶ。主な著作に『抗ガン剤で殺される』、『笑いの免疫学』、『抗ガン剤の悪夢』、『病院に行かずに「治す」ガン療法』、『アメリカ食は早死にする』、『ショック!やっぱりあぶない電磁波』、『和食の底力』、『STAP細胞の正体』(以上、花伝社)、『クスリは飲んではいけない!?』、『ガン検診は受けてはいけない!?』、『「長生き」したければ食べてはいけない!?』、『放射能汚染だまされてはいけない!?』(徳間書店)、『病院で殺される』、『3日食べなきゃ7割治る』、『やってみました!1日1食』(三五館)、『できる男は超少食』(主婦の友社)などがベストセラーに。

 


 

トランペットを吹き鳴らせ! 
セルビア&マケドニアジプシー音楽修行記

吉開裕子
ISBN 978-4-7634-1069-6 C0026 本体価格 1500円
判型 四六判並製 192頁 発行日 2016.2

本当の音楽を求めて、トランペット女子一人旅

バルカンブラスに魅せられて、トランペット1本で体当たりの旅に出た!謎に包まれたロマ=ジプシー音楽の聖地をめぐる、ブラス音楽漬けの日々。世界最大のトランペット祭、グーチャフェスティバルとは。

ようこそ! ジプシー音楽の世界へ

調べても調べても、日本で本当のジプシー音楽をトランペットでやっている人が見つけられなかった。ジプシーで調べると、ジプシーアレンジ、ジプシー風、ジプシー音楽に自分の個性を織り交ぜて……という紹介が多く、実際に本当のジプシー音楽を演奏している人、というか知っていそうな人が探し当てられなかった。
私が知りたい・聴きたいのは、ジプシーっぽい音楽じゃなくて、ジプシー音楽そのものなんだ、と気づいた。
ともかく、身体で感じないとわからないし、自分は想像力が貧困だ。考えたところで、知らないことについて考えても間違った方向に行きそうだし、時間の無駄な気がした。だから、とりあえず現地に行ってから考えようと思ったのだ。(本文より)

吉開裕子(よしかい・ ゆうこ)
千葉県生まれ。トランペッター。YYOrk(Yuko Yoshikai Orkestar)所属。ロマ=ジプシー音楽との出会いをきっかけに2012年よりトランペットを習い始め、2015年に欧州最大のトランペット祭、グーチャ・トランペット・フェスティバルを目指して渡航。バルカン半島にあるセルビア・マケドニアのトランペット・オーケストラの音楽・文化・人を日本に広めるべく各方面にて活動中。

 

【書評】『音楽教育 中学・高校版』2016年7月号
「BOOKS 著者に聞く 」

『トランペットを吹き鳴らせ! セルビア&マケドニアジプシー音楽修行記』を書いた吉開裕子さんに聞く

トランペットを吹き続けることで 人生を引き寄せることができたと思います。

憂いを含んだメロディーと、ダイナミックに躍動するリズム。ロマ(ジプシー)音楽といえば、サラサーテの『ツィゴイネルワイゼン』などに代表される、弦楽器を中心としたスタイルが有名だが、同様に世界中で人気を集めるのが、セルビアやマケドニアなどのバルカン半島諸島で盛んなトランペット・オーケストラ音楽。日本でもコアなファンがいるが、ガイドとなるような本や資料に乏しいのが現状だ。
「インターネットで調べようとしても、セルビア文字はわからないし、行くと決めてからもなかなかつてが見つからず、不安でいっぱいでした」とは、本書の著者である吉開裕子さん。4年前、「性に合う」とトランペットを習い始め、昨年にはそれまで勤めていた会社を辞めて、憧れていたロマのトランペット・オーケストラの世界にふれるべくセルビアとマケドニアへ3カ月間の渡航を決意。手がかりを探すうちに、滞在をコーディネートしてくれる人も現れた。
そして実際に行ってみると、当初の不安はよそに、世界的に活躍するボバン&マルコ・マルコヴィッチ・オーケストラとの遭遇や、欧州最大のトランペットの祭典「グーチャ・トランペット・フェスティバル」のパレードに演奏者として参加できるなど、まるで夢のような日々が続いた。本書は、当時の日記をもとに書きおろしたみずみずしい旅の記録だ。
「私が主に滞在した南セルビアでは、生活の中に当たり前のように音楽がある。男の子はたいてい物心がついたときからトランペットを親から習っていて、トランペットをうまく吹けることがクールだと思っているのが素敵だな、と思いました」。
トランペットを持ってまちを歩けば「一緒に演奏しようよ」「この曲知ってる?」と声をかけられる。出会う人は皆やさしく、気を遣ってくれる。言葉の代わりになるのは、音楽が好き、トランペットが好き、セルビアとそこに暮らす人が好きという気持ち。読んでいると、まるで行間から音楽が聴こえてきそうだ。
「現地で出会った音楽や人は、日本にずっといたら出会えなかったもの。トランペットを吹き続けることで人生を引き寄せることができたんじゃないかと思います」。
今年も夏のフェスティバルに渡航し、ゆくゆくは日本にセルビアの音楽文化を紹介する機会をつくりたいという。その夢が実現するのも、そう遠くはないかもしれない。
(構成・山﨑隆一)

 

拳銃伝説 
昭和史を撃ち抜いた一丁のモーゼルを追って


大橋義輝
ISBN 978-4-7634-1068-9 C0036 本体価格 1500円
判型 四六判並製 184頁 発行日 2016.1

ある拳銃が狂言回しとなって語り始めた、驚愕の昭和史

首相・濱口雄幸を狙撃したモーゼルは、「男装の麗人」川島芳子の所有物だった。一丁の拳銃がたぐりよせる歴史の糸。731部隊と奇行の天才学者、暗躍する大陸浪人たち、文豪の理想郷と狙撃犯の縁、そして昭和史最大の謎・帝銀事件の真犯人──

一丁の拳銃のもたらす波紋の先にはさまざまなドキュメントが見え隠れし、私はどんどんとのめり込んでいった。とくに帝銀事件の真の犯人ではないかという人物が浮上してきた瞬間──それは折り畳まれた歴史の襞をのぞいた瞬間であった。(本文より)

[目次]
プロローグ
第1章 総理狙撃
第2章 遺体鑑定人、表と裏の顔
第3章 昭和史最大の謎に迫る
第4章 「男装の麗人」川島芳子
第5章 流浪する拳銃
第6章 武者小路実篤と狙撃犯
最終章 拳銃の終焉
エピローグ

大橋義輝(おおはし・よしてる)
ルポルタージュ作家。
元フジテレビ記者・プロデューサー。元週刊サンケイ記者。著書に『おれの三島由紀夫』(不死鳥社)、『韓国天才少年の数奇な半生』(共栄書房)、『毒婦伝説』(共栄書房)、『「サザエさん」のないしょ話』(データハウス)。

大橋義輝の既刊本→『韓国才少年の数奇な半生』 『毒婦伝説』、『消えた神父を追え!』
 


 

買うな!使うな!身近に潜むアブナイもの PART①


船瀬俊介
ISBN 978-4-7634-1067-2 C0077 本体価格 1500円
判型 四六判並製 256頁 発行日 2015.10

テレビは言わない!! 新聞は書けない!!

身のまわりは猛毒だらけ
まさかこんなモノが!?

●ジャガイモ揚げたら発ガン物質! 基準値1280倍超!
●ああ……シャンプーは毒物エキス! 抜け毛、脱毛、ハゲ激増
●清涼飲料やドリンク剤は〝有毒ベンゼン〟入り!
●子どもに〝覚醒剤〟──ADHD治療薬〝リタリン〟の恐怖
●成長異常、発ガン……狂牛病より怖い?〝成長ホルモン〟
●甘い物好きは低血糖症から統合失調症へ
●水道の水を飲むと発ガン率三倍に……!
●ビニールクロス住宅は恐怖の猛毒〝カビ屋敷〟
●食べるな! 危ない輸入食品──アジア発の食品は危険
●毒物で〝洗濯〟! ドライ・クリーニングでガンになる

[目次]
1 まさか、こんなモノが!
2 現代人の脳がアブナイ!
3 おっと、あぶない農薬・殺虫剤
4 まだ、肉を食べているのですか?
5 甘いモノに気を付けろ!
6 あふれるアブナイ薬、飲んではいけない! 
7 インフルエンザ治療薬で、わが子が自殺……
8 おたくの水道水でガンになる
9 あなたの住まいがあぶない
10 身近にあふれるアブナイ〝毒〟 等

船瀬俊介(ふなせ・しゅんすけ)
1950年、福岡県生まれ。九大理学部を経て、早大文学部社会学科卒業。日本消費者連盟スタッフとして活動の後、1985年、独立。以来、消費・環境問題を中心に執筆、評論、講演活動を行う。主なテーマは「医・食・住」から文明批評にまで及ぶ。 主な著作に『抗ガン剤で殺される』、『笑いの免疫学』、『抗ガン剤の悪夢』、『病院に行かずに「治す」ガン療法』、『アメリカ食は早死にする』、『ショック!やっぱりあぶない電磁波』、『和食の底力』、『STAP細胞の正体』(以上、花伝社)、『クスリは飲んではいけない!?』、『ガン検診は受けてはいけない!?』、『「長生き」したければ食べてはいけない!?』、『放射能汚染だまされてはいけない!?』(徳間書店)、『病院で殺される』、『3日食べなきゃ7割治る』、『やってみました!1日1食』(三五館)、『できる男は超少食』(主婦の友社)などがベストセラーに。
 


 

 

戦争と日本人

日中戦争下の在留日本人の生活


倉橋正直
ISBN 978-4-7634-1066-5 C0021 本体価格 2000円
判型 A5判並製 296頁 発行日 2015.8

戦時下、日本人は中国でどう暮らしたか
在留日本人の日常生活

軍人・軍属を除く中国在留日本人は60万以上に膨れ上がった……
彼らは中国でどのような生活をしていたか?
中国の民衆にはどう映ったか?
残された貴重な写真・資料を収録して描く日本人の生態


[目次]
1 関東軍が作成・販売させた「張作霖爆破事件」絵はがきセット
2 日中戦争とタタミ
3 兵隊は運動会が大好き
4 女性の服装
5 在留日本人のゾンザイな振る舞い
6 鮮魚の輸送 
7 淡水魚をナマで食べる 
8 朝鮮米 
9 「戦争の横顔」
10 『商工案内』に見る日本人町の状況
11 救世軍の報国茶屋
12 救世軍の済南診療所
13 中国戦線における国防婦人会
14 国防婦人会に加入した売春婦たち
15 九江の日本人小学校
16 九江の「慰安所」
17 日本軍が中国でまいた伝単
18 中国軍がまいた伝単

倉橋正直(くらはし・まさなお)
1943年 静岡県浜松市生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(東洋史学)修了。愛知県立大学教授を経て、現在、愛知県立大学名誉教授
著書
『北のからゆきさん』(1989年 新装版、2000年)『からゆきさんの唄』(1990年)『島原のからゆきさん』(1993年)『従軍慰安婦問題の歴史的研究』(1994年)『日本の阿片戦略』(1996年)(韓国で翻訳される。新装版、2005年)以上共栄書房『日本の阿片王』(共栄書房、2002年)『阿片帝国・日本』(共栄書房、2008年)
『従軍慰安婦と公娼制度 従軍慰安婦問題再論』(共栄書房、2010年)
 


 

 

マイナスな人生でもプラスになれる生き方

エリートじゃない、"普通の人"のための成功方程式


かさこ
ISBN 978-4-7634-1065-8 C0036 本体価格 1500円
判型 四六判並製 240頁 発行日 2015.5

あなたが本当にやりたい仕事は何ですか?

"普通の人"が、自分のやり方で手に入れた成功とは?
会社や組織に頼れなくなったいま、自分で考え、行動し、発信すれば、
好きなことだって仕事にできる──

好き!を仕事にした26人のストーリー


[目次]
情熱の巻—「好き!」で食べていく
神田山緑(講談師)、三井昌志(旅写真家)、林一章(伊賀FCくノ一コーチ)、永田知之(カメラマン)
発信の巻—ネットを武器にする
唯野奈津実(カラオケ評論家)、矢部澄翔(書道家)、吉井江里(音楽教室主宰)、オカベテルマサ(ブロガー)、丸井章夫(手相師)
転換の巻—新しいビジネスモデルに生きる
海保けんたろー(バンドマン兼IT企業社長)、中村文也(居酒屋チェーン経営)、柴海祐也(農家)、依田花蓮(ダンサー・行政書士)
復活の巻—人生、捨てたもんじゃない
ソフィア・エムート(スピリチュアル・セラピスト)、三宅哲之(天職デザイナー)、藤野淳(コンサルタント)、佐藤政樹(人材育成トレーナー)、梶浦恭弘(パティシエ)
波瀾の巻—人生、何があるかわからない
濱宏之介(美容師)、森透匡(コンサルタント)、川口徹(セールスコンサルタント)、土岐山協子(食育プロジェクト主宰)
発見の巻—これって、仕事になるんだ!
中川ケイジ(ふんどし会社経営)、吉田美子(バッグ・ライフ・プロデューサー)、石山草子(農家)、藤嶋京子(会社経営)

かさこ
年間8万枚の撮影、年間90万字の執筆をこなす、写真も撮影できるライター=カメライター。トラベルライター、金融ライター、不動産ライター、ブロガー。1975年生まれ、横浜市鶴見区在住。川越高校卒業、中央大学法学部卒業後、1997年から大手サラ金に約2年勤め、退職後アジアを4カ月放浪。2000年〜2012年まで編集プロダクション3社に勤め、編集、ライター、カメラマンとして仕事をするかたわら、ホームページ(現ブログ)の毎日更新を続け、個人で18冊の本を出版するなど、パラレルキャリアを実践。2012年2月よりフリーランスに。
http://www.kasako.com/index.html
 


 

「からゆきさん」

海外〈出稼ぎ〉女性の近代


嶽本新奈
ISBN 978-4-7634-1064-3 C3020 本体価格 1700円
判型 四六判上製 200頁 発行日 2015.5

追いこまれる「性」
日本近代史の中の、まなざしの変容

境界を越えた女たちは、いかに周縁化されたのか。
「からゆきさん」研究に新たな地平を切り拓く緻密な表象史

「従軍慰安婦」と「からゆきさん」はどこがどう違うか?

従軍慰安婦論争に一石を投ずる本


[目次]
第1章 身売りの歴史とその思想
第2章 海を渡った女性たち
第3章 海外日本人娼婦と明治政府の対応
第4章 「芸娼妓」をめぐる言説と、海外膨張政策への呼応
第5章 分断される女/性
第6章 優生思想と海外日本人娼婦批判

嶽本新奈(たけもと・にいな)
1978年生まれ。一橋大学大学院言語社会特別研究員。2014年3月一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は日本近代ジェンダー史。論文に「『からゆき』という歴史事象の創出の背景――『性的自立性』の多様性」(『言語社会』、2008年)、「優生学と結びつく『在外売淫婦』批判の検討」(『ジェンダー史学』、2009年)、「分断される『女/性』――愛国婦人会芸娼妓入会をめぐって」(『ジェンダーと社会――男性史・軍隊・セクシュアリティ』、2010年)、「『からゆき』渡航幇助者のジェンダーと役割の一考察――「密航婦」記事を手がかりにして」(『ジェンダー史学』、2011年)などがある。
 

女たちの21世紀 No.83 2115年9月 フェミの本棚

「からゆきさん」と呼ばれる女性たち、つまり身売りとも出稼ぎともいえるかたちで海外に行き、売春を経済的営為とした女性たちをとりまく言説とまなざしを、近世以前から日清・日露戦争後まで、時代を追って検証した書である。

国家、存娼派、廃娼派、軍事援護団体、メディアの言説は、どれもナショナリスティックな感情に根ざし、女性の「性」をその身体から切り離し、国家や日本人というエスニシティとともに語る点で共通する。彼女たちは、一夫一婦制制度に基づく「家庭の純潔」を汚す存在として排除されるにとどまらなかった。海外で外国人を相手に売春をする行為は、純粋な「種」を保持できるか否かが国家の盛衰を決すると説く優生思想を下敷きに、日本民族の「純血」を汚す行為として二重に嫌悪されたのだ。こうした事実の指摘は、日本国家を最優先する意識が、「からゆきさん」を周縁化していくありさまを明らかにしている。

日本の植民地主義の歴史のなかに生き、それに利用されるということが、「からゆきさん」をして性的に抑圧された存在とするのみならず、植民者である「日本人」を否応にも帯びた膨張主義の体現者としてしまう、植民地主義的輻輳性への注目を喚起し、「からゆきさん」を単純に「慰安婦」の前史として位置づけるべきではないとの指摘は重要である。(評者:柏崎彩花)

朝日新聞 2015年7月26日朝刊

 ◇理解を妨げる「悲惨な女性」像

 「からゆきさん」の語を広く知らしめた山崎朋子『サンダカン八番娼館』の副題は「底辺女性史序章」だった。山崎は近代日本史上最も悲惨な存在として「海外に連れ出され」「異国人を客」とした「出稼ぎ」女性に注目した。
 本書はこうした〈からゆきさん=底辺女性〉とする価値観の生成過程を辿(たど)る。例えば福沢諭吉は海外移住する日本人のため公娼(こうしょう)制が必要と考えたが、「天は人の下に人を造らず」の言葉とは裏腹に娼妓(しょうぎ)たちを欧米のように「人類の最下等」扱いせよと主張した。
 存娼派の福沢と立場は異なるが、キリスト教徒を中心とする廃娼(はいしょう)運動家たちも差別意識の形成では足並みを揃(そろ)えた。性交が女性の体質を変え、以後の出産でも最初の相手の形質が発現すると考える非科学的なテレゴニー説が導入されると、廃娼派は海外「出稼ぎ」女性を日本人の「純潔」と「純血」への脅威とみなして廃絶を求め始める。
しかし、彼女たちはただ受動的に「底辺」に追いやられただけの存在ではなかった。山崎に先んじて元海外「出稼ぎ」女性への聞き取りを行った森崎和江は、彼女たちが異国の地にいてなお日本人のアイデンティティーを持ち続け、結果として自らが日本の海外膨張主義の「先兵」となってしまう屈折した自縛の構図を浮かび上がらせていた。
「抑圧された性」のひと言では括(くく)れない海外「出稼ぎ」女性の実態を「いたましげに寄りそいつつ、自らの生活態度をくずそうとはしない市民的なまなざし」は見失う。そう批判していた約40年前の森崎の言葉を著者は引く。
 確かに初めから「悲惨」と決めつけて対象に向かい合う姿勢は排除を進めてきた価値観に相乗りしがちだし、感傷が勝ると問題の複雑さを見失わせ、解決を遠ざける。からゆきさんは過去の存在となったが、新たな差別を対象に同じ轍(てつ)を私たちは今なお踏んでいないか検証すべきだろう。

 評・武田徹(評論家・恵泉女学園大学教授)

 

ダ・ヴィンチNEWS
2015年7月9日
http://ddnavi.com/news/247763/

「おなごのしごとたい」 海の向こうで春を売った「からゆきさん」を翻弄した時代の変化とは

 お金のために身体を売る、売春。現在の日本では違法行為に当たる。しかし、この行為が違法になったのは、昭和33年(1958)に「売春防止法」が施行されて以来のこと。売春は、このときまで、国家権力からのおとがめは一切ない行為であった。こうした中、幕末から明治期を経て大正中期、多くの女性たちが、売春をするために、海外へ出ていった。彼女たちの実像に迫ろうとした書籍、『「からゆきさん」海外〈出稼ぎ〉女性の近代』(嶽本新奈/共栄書房)から、海を渡って春を売った女性たちについて紹介しよう。
 本書のタイトルのとおり、当時、海外に売春をしに行く女性は、「からゆきさん」と呼ばれ、北はシベリア、中国大陸や東南アジア諸国を経て、南はインド、アフリカ方面にまでの広範囲にわたった。そもそも、あまり知られていないが、売春以外の海外への一般的な出稼ぎは、鎖国が解かれると同時に始まっていた。近代史を学ぶと、欧米文化を学びに行く留学生のことは出てくるが、実は、彼らをはるかに上回る人数の一般人が、国境を越えて商売をしていたのだ。人の移動があれば、夜の営みも移動する。商売として身体を売る女性たちもここに現れ、海外で活動する日本人と現地の人を客にした。
 「からゆきさん」となる女性たちは、家の貧しさから親に売られた娘や、奉公先を逃げ出してきた者たちだ。日本で身体を売るより海外のほうが多く稼げると聞かされ、斡旋業者の仲介で海を渡ったのだ。
 明治19年(1886)生まれの島木ヨシは、天草地方の炭坑で6人の兄弟と共に育った。炭坑の不況のため、19歳の時にシンガポールに渡り、5年ほど“仕事”をした。勤務中に聞いた噂「上海の方がつとめが楽で金になる」を信じ、上海へ密航。イギリス人が経営する、外国人相手の爪磨きとマッサージを行う店に住み込んだ。その後、マッサージ店として独立を果たし、日本人の女性2人を雇うまでになった。
 老年、故郷の天草に戻って暮らす島木ヨシに、当時の事を取材したときの言葉が記録に残る。「働きにいったちゅうても、おなごのしごとたい」――。取材した者は、尊厳を踏みにじられる辛い経験だっただろうという前提で取材したのだが、彼女の態度は実にあっけらかんとしたものであった。
 一口に「からゆきさん」といっても、そこにはさまざまな人生がある。だから、彼女たちが、当時の自分の“仕事”をどう思っていたのかは、一概には言えない。それを踏まえた上で、著者の嶽本氏は、彼女たちが海外へ出ていった時期は、“売春が世間からどのように見られるか”が変化していった時期であることに注目する。それは、彼女たちが、自分の“仕事”をどう見なすかの価値観が変化していくことにつながるからだ。
 開国して欧米のキリスト教的な価値観が入ってくるまで、日本は、性意識がとても大らかだった。家族を養うために身売りをすることは孝行として賞揚され、遊女になっても、身請けされれば一般社会に戻ることができた。一方、純潔を重んじるキリスト教文化圏では、一度娼婦となった者は、一般社会に戻ることが許されず、世間から一段低い者として扱われた。「からゆきさん」の活動時期は、こうした、欧米の売春行為を蔑む見方が入ってきて、一般庶民に根付く時間の幅と重なるのだという。
 そのため、年代が新しくなって海を渡った者ほど、“仕事”によって心に傷を負う者が多く、精神に異常をきたしたまま死んでいく者もいた。海外には孝行娘として出ていったものの、帰ってきたら社会から除け者扱いという者も多くいた。前に挙げた島木ヨシは、比較的早い時期の「からゆきさん」である。そう考えると、彼女のあっけらかんとした言葉も、あながち嘘や強がりではないのかもしれない。
「からゆきさん」を追いかけて見えてくるのは、世間から売春者への、まなざしの変化だ。加えて、人は自分自身を評価するとき、どうしても周囲の目に翻弄されてしまうことも垣間見える。世間から劣った者として扱われる状態が長く続くと、自分で自分のことを蔑んだ存在として捉えてしまう。そんな悲しい人間のさがは、私たちも同じではないだろうか。
文=奥みんす

 

『からゆきさん──海外〈出稼ぎ〉女性の近代』

「女性史学」2016年    曽根ひろみ

 各章のタイトルは、以下のとおりである。
序章 (先行研究と本書の目的、課題など)
第1章 身売りの歴史とその思想──近世から近代に連続するもの
第2章 海を渡った女性たち──江戸から明治期
第3章 海外日本人娼婦と明治政府の対応
第4章 「芸娼妓」をめぐる言説と、海外膨張政策への呼応
第5章 分断される女/性─愛国婦人会芸娼妓入会をめぐって
第6章 優生思想と海外日本人娼婦批判
終章 (各章のまとめおよび森崎和江・山崎朋子の比較など)

 本書は、「からゆきさん」と呼ばれる「日本人〈出稼ぎ〉娼婦をめぐる言説と政策、そしてそうした女性たちが出現するに至った歴史的背景である人身売買の歴史と性意識の一端を考察」(終章P165)しようとしたものである。各章のまとめは、終章で筆者自身が行っているので、ここでは紙幅の関係上、本書全体に関わる論点のいくつかに沿って内容を紹介し、あわせて若干の問題点を提示するにとどめたい。
(1)まず、芸娼妓や〈出稼ぎ〉娼婦をめぐる言説については、主として4章〜6章で扱われている。芸娼妓に対して、存娼派・廃娼派ともに蔑視という点で足並みをそろえていた点、『婦女新聞』が芸娼妓を「醜業婦」と呼んで、善良な家族を破壊するものとして批判した点、日本における優生思想の流入によって、海外日本人娼婦は家庭の純潔と国民の純血を二重に穢す存在と見なされるようになったことなどが指摘されている。近代以降、芸娼妓に対する蔑視・差別が強まることは周知のことであるが、なかでも、在外「売淫婦」はとりわけ厳しい取り締まりを求められ、純潔・純血を二重に穢す存在として国内芸娼妓より一層差別的な視線にさらされた。
(2)政策については3章で検討されている。特に1896年(明治29)政府は、海外での「売淫」を厳しく取り締まろうとして、「醜業」または「醜業」業者の渡航を禁じる「移民保護法」を出しながら、清国と朝鮮を適用除外とし、そこに、次々と国内の公娼制度に準じる法令・規則を整備していく方向に舵をきったという。加えて明治20年代に起こった人口過剰問題を背景に、海外移住に積極的に取り組むようになるが、そこには、「対外膨張には日本人女性による性的慰安が必要である」という政府の一貫した意図が見られ、上記の移民保護法は日本国内から娼婦を移動させる上で便宜を図る内容であったとされる。逆にこのことは、植民地公娼制度の及ばない国や地域の女性たちの「保護」は切り捨てられたことを意味していたという。その意味で、本書ではからゆきさんが植民地公娼性の「外」に存在したことを指摘しているといえよう。
(3)次に1章で、歴史的背景としての、性意識・買売春に対する意識について検討している。嶽本氏によれば、①近世の開国前までは、買売春行為自体に対する倫理的判断はなく、娼婦も「奉公」の1つとして「親への孝」「家の存続」という意識と不可分のものであり、たとえ過去に売春をしていた女性でも、②その後、一夫一婦制を基本とする新たな性規範に基づく「近代家族」が理想とされ、善良な家庭を破壊する娼婦は、家庭を治める女性の対極にある「品性」の欠如した存在と見なされるようになっていく。結果、「女性」に分断が持ち込まれ、娼婦は周縁化されていくとされる。
 1章では、歴史的背景としての人身売買の歴史についても言及されている。売春女性が、形式的には「奉公」と呼ばれる契約の形式によって確保されるようになったのは近世以降のことである。近世の奉公契約は、内実は人身売買と違わない側面も多く、「身売的奉公契約」とも言われたが、契約上、親と本人が「得心の上」「自由意志」によって選択した渡世であるという建前が成立したことに意義があったとされる。
(4)本書で、最も読み応えがあって面白かったのは、実は終章である。ここでは、からゆきさん研究の先駆者的な存在である、山崎朋子、森崎和江両氏(以下、敬称略)のちがいを、山崎に対する森崎の批判として明らかにしつつ、嶽本氏自身の論を森崎の論に重ねている。山崎はからゆきさんを、階級と性の二重の桎梏の下に虐げられてきた日本人女性の原点であり、中国人や東南アジアの原住民男性を相手にしていたという意味で売春女性の中で最も悲惨かつ最下位の序列に位置していたとみなす。一方、こうした山崎のからゆきさん像を受容し消費していく社会の認識を批判して、森崎は、次のようにいう。「近代化された生活と意識に立って、前近代的な生活原理そのものを、ものめずらしげに、痛ましげに眺めやる市民的なまなざしである」と。嶽本氏は、こうした意識こそ、開国以降の国家と知識人、近代家族の人々が内面化した意識そのものであるといい、さらに山崎の問題点は、国家や植民地主義について、すっぽり抜け落ちている点であると指摘する。嶽本氏が、森崎の仕事に共感しているのは、からゆきさんが単なる被害者ではなく、ナショナリズムを内面化し膨張主義の体現者でもあったという事実である。例えば、からゆきさんの中には、中国人・朝鮮人慰安婦の監督をした女性もいた点などを挙げ、からゆきさんと慰安婦を安易に重ねる山崎を批判している。こうした、からゆきさん被害者にとどまらぬ複雑な位相を、嶽本氏は「からゆきさんのもつ輻輳性」と表現している。
 しかし、この「からゆきさんのもつ輻輳性」は、嶽本氏が本書全体を通じて緻密に積み上げてきた実証の帰結としての結論というより、森崎の著述に負うところが大きい。つまり、6章に及ぶ本論の帰結が終章なのではなく、どちらかというと、本論と終章が相対的に、それぞれ独立しているように見えてしまうのだ。ゆえに、本書全体を貫く主題、換言すれば、本書が研究史的にからゆきさん研究の、いかなる点を発展させたのかが必ずしも明らかではない。このことは、実証レベルでいえば、国内芸娼妓に対する言説分析が過半を占め、海外日本人娼婦、からゆきさんに対する直接的な言説の分析が案外少ないこととも関連しているように思われる。
 さて終章で、嶽本氏は、無条件に森崎説に共感を示し、山崎を批判している。この点については概ね了解できるところである。しかし、山崎が内面化し、からゆきさんに投影した性意識や社会認識が「開国以降の国家と知識人、近代家族の人々が内面化した意識そのものである」というのは言い過ぎであり、山崎に失礼であろう。山崎の意識は、性差別に対する見識1つとっても、福沢や福島四郎などの近代知識人と決して同じではない。山崎をこれほど全否定してよいのか、疑問が残った。
(5)最後に、からゆきさんが、ある程度主体的な「密航婦」なのか、「誘拐者」の手に落ちた被害者なのか、本書では区別しがたいとされている。からゆきさんの実態は、近代を通じて「主体的な密航婦」「誘拐・誘導された被害者」という両義性をもつものなのか、時代や地域によって異なるのか。これらについては、より実態の分析を進化させた上で仮説的にでも提示して欲しいところである。これが、ないものねだりなのか、今後の課題として可能なのか、筆者にはわからないが、可能ならば、この点について深めていただけたら幸いである。

 

緊急出版 吉田証言は生きている

慰安婦狩りを命がけで告発! 初公開の赤旗インタビュー


今田真人
ISBN 978-4-7634-1063-4 C0036 本体価格 1700円
判型 四六判並製 224頁 発行日 2015.4

吉田清治氏の証言は虚偽ではない!
歴史の真実は消せない──

元赤旗記者 渾身の告発!!
朝日新聞や赤旗で、吉田証言を虚偽・誤報として記事を取り消したのは間違いだ!
1993年10月、幻の赤旗インタビューを全文掲載し、当時の取材記者自らが徹底解説

従軍慰安婦問題の根拠から一転、虚偽とされた吉田証言
吉田氏の肉声が伝える歴史の真実とは


[目次]
第1章 吉田清治氏のインタビューの記録
第2章 〈資料解説〉吉田証言は本当に虚偽なのか
  ──初公開の赤旗インタビューで浮かび上がった新事実
第3章 朝日と赤旗の「検証記事」の検証
第4章 秦郁彦『慰安婦と戦場の性』の検証

今田真人(いまだ まさと)
1955年、広島市生まれ。名古屋大学文学部史学科(西洋史専攻)卒業。1980年4月から2011年5月末まで赤旗記者。テレビラジオ部、政経部、中四国総局、社会部、経済部、日曜版など各部の記者を歴任。55歳で退職後、フリーの経済ジャーナリストになる。著書に『円高と円安の経済学──産業空洞化の隠された原因に迫る』(かもがわ出版、2012年)。
   

 

すばらしきかな、教師人生
和田 慎市
ISBN 978-4-7634-1062-7 C0037 本体価格 1500円
判型 四六判並製 216頁 発行日 2015.1

教育現場への強い風当たり、年々増える事務処理、
モンスターペアレントへの対応、働かない同僚への不満……
教師にとって何かと大変なこの時代、
充実した教師人生のために必要なものとは

世間知らずで結構、
教師のための「開き直り」のすすめ


[目次]
第1章 誤解されている教育現場と教師の実態
第2章 こんなときどうする——教師編
第3章 こんなときどうする——生徒・保護者編
第4章 こんなときどうする——部外者編
第5章 教師人生での実践から学んだこと
第6章 教師の生き方

和田慎市(わだ しんいち)
1954年、静岡県生まれ。東北大学理学部卒業。宮城県・静岡県公立高等学校教諭・教頭として36年間11校の多種多様な高校に勤務し、主に危機管理や生徒指導実践において長年教育界に尽力。2014年3月退職し、現在は公立高等学校講師を務めるかたわら、講演会・研修会などを通じ、現役教師や学生をサポートする活動を行っている。著書に『実録・高校生事件ファイル』(共栄書房)
和田慎市の既刊本→『実録・高校生事件ファイル』
 


 

消えた神父を追え!

BOACスチュワーデス殺人事件の謎を解く

大橋義輝
ISBN 978-4-7634-1061-0 C0036 本体価格 1500円
判型 四六判並製 192頁 発行日 2014.8

ついにとらえた!
迷宮入りの怪事件、執念の大追跡

警視庁開闢以来の大失態と言われ、松本清張『黒い福音』のモデルにもなったBOACスチュワーデス殺人事件。
取り調べの最中に突如帰国し、日本人を茫然とさせた重要参考人の外国人神父を追う!

今明かされる、昭和の大事件の謎 


大橋義輝(おおはし・よしてる)
ルポルタージュ作家。
元フジテレビ記者・プロデューサー。元週刊サンケイ記者。著書に『おれの三島由紀夫』(不死鳥社)、『韓国天才少年の数奇な半生』(共栄書房)、『毒婦伝説』(共栄書房)、『「サザエさん」のないしょ話』(データハウス)。

大橋義輝の既刊本→『韓国才少年の数奇な半生』 『毒婦伝説』
 

【書評】『産経新聞』2014年8月31日

 昭和34年に起きたBOACスチュワーデス殺人事件は、警視庁の大失態を伴い、日本人のほとんどがある種の悔しさを実感した事件だった。重要参考人の外国人神父が、取り調べ中に突然、ベルギーに帰国してしまったからだ。

 すでに55年前のことで、事件は迷宮入りとなった。このベルギー人神父はその後、どこでどうしているのか? その生きざまを見届けなければ、のどのつかえが取れないと考えた著者は、40年以上にわたってこつこつと調べ上げ、ついに当の神父と対面し、肉声を聞くことができた。元重要参考人を追った執念のルポルタージュ。

【書評】『夕刊フジ』2014年8月13日

半世紀以上前に起きたBOACスチュワーデス殺人事件は、松本清張の「黒い福音」のモデルとして知られる。警視庁はじまって以来の大失態といわれたこの事件、なにしろ重要参考人の外国人神父が取り調べの最中、突如母国(ベルギー)に帰国してしまったからだ。帰国直後、捜査本部は解散され、やがて事件は迷宮入りとなった(1974年3月10日公訴時効)。なぜ、重要参考人を帰国させたのか、事件は国会にまで飛び火した。
宗教の壁、外国人の壁に屈した日本の警察に、日本人のほとんどが苦々しい感情を抱いたものだった。この重要参考人の外国人神父は、その後、どう生きたのか。「世界のどこかで、のほほん(?)と生きているのか。その生きざまを見とどけなければならぬ、世界中を探し回っても」と著者は40余年追いかけてきた。そしてようやく外国人神父と対面し、その肉声を聞く。執念のルポルタージュだ。

【書評】『サンデー毎日』2014年9月21日 今週のイチオシ 岡崎武志

1959年3月、杉並区で起きた「BOACスチュワーデス殺人事件」。重要参考人として取り調べ中のベルギー人神父は、突如帰国。事件は迷宮入り。松本清張『黒い福音』は、これをモデルに、昭和史の黒い闇を暴こうとした。
74年に時効となった事件に再び光を当てたのが、大橋義輝『消えた神父を追え!』。独力で迷宮に踏み込み、被害者の足どりをたどり、ついには神父がカナダにいることを突き止め、訪問する。
その過程で、被害者女性と「東電OL殺人事件」との奇妙な符合に気づくなど、このルポライターは冴えている。神父帰国の航空機に偶然同乗した新聞記者への取材も含め、驚くべき新事実が続々と出現。核心を追い詰め、ついに、90を超えた神父と面会する!
有力なコネや豊富な取材陣を著者は持たない。足で稼いだ地道な執念に敬服だ。そういえば、『点と線』や『砂の器』など、松本清張作品に登場する老刑事も、ちょうど著者みたいなタイプだった。泉下の清張さんも苦笑いか。

(おかざき・たけし 1957年生まれ。高校教師、雑誌編集者を経てライターに。書評を中心に執筆。近著『上京する文學』をはじめ『読書の腕前』など著書多数。)

 

李王家悲史 秘苑の花

張赫宙
ISBN 978-4-7634-1060-3 C0098 本体価格 2200円
判型 四六判上製 288頁 発行日 2014.6

知られざる日韓現代史の悲劇
この歴史的事実からいま何を読み取るか?

10歳で日本に連れてこられた韓国李朝最後の皇太子・李垠
政略結婚させられた日本の皇族・梨本宮方子女王
日韓のはざまで、歴史に翻弄されながら、二人はどう生き、愛を貫いたか──。

李垠氏本人の極秘資料に基づく迫真のドラマ
伝説の歴史小説、待望の復刻!

「今「秘苑の花」を読了し、自分のことながら終日感動を禁じえなかった。たとえ小説風に描かれたとは言え、内容は皆正しき事実であります。私は波瀾多かりし40余年間の過去を回顧し、感慨無量なものがあります。」(李垠 本文「感想」より)


張赫宙(ちょう かくちゅう)
1905年、朝鮮慶尚北道大邱に生まれる。
プロレタリア文学の影響を受け、デビュー作「餓鬼道」などの初期作品では、朝鮮民衆の貧困と悲惨、闘争などを描く。1952年、日本に帰化。『嗚呼朝鮮』が張赫宙名の最後の作品となり、その後は、野口赫宙の名で数々の作品を発表し、自伝小説、歴史小説、ミステリー、英文の小説など多様な作品を残した。1997年死去。
 

Amazon 『秘苑の花』レビュー
★★★★☆ 作品は星がいくらあっても足りないのだが。

By 下手の横好き。 オン 2014/6/27
Amazonで購入

 当時の事だから当然なのだが、昭和10年代の朝鮮で日本人の文学者達も出て来るので興味を持って買った「親日文学論」は読んでいたから張赫宙の名前は知っていたし、「英親王李垠伝」で「秘苑の花」という作品がある事も知っていたが、彼の作品を知るきっかけとなったのは今は亡き上野文庫で入手出来た張赫宙の「秘苑の花」と「嗚呼朝鮮」だ。初期の作品こそ評価はされても、日本人向けの作品を書いた上に「親日」文学の道に入って、戦後日本に帰化した張赫宙の長い文筆人生を総括出来るような研究者はいないと思う。特に彼の戦後の作品に関心を持たれた事はなかったし、単行本化されていないものは相当あるようで、研究者が目録作りをしているところだ。
 この本の解説を書かれた研究者が「秘苑の花」から導き出した結論自体は間違いではないと思うが、結論を導き出す過程には疑問符を置かざるを得ない。「秘苑」とはどこにあるのか、何故方子女王が「秘苑の花」となるのか、漢城の王宮と世界社版を知らない読者に分かるように書かないと、この解説を読んで分かる人は、どれだけいるのだろうか。張赫宙の没後、「究極の親日文学」であるかのように復刻される機会の多い「岩本志願兵」と「秘苑の花」は正反対な世界観を持つ作品なのだが、何故張赫宙は英親王李垠と方子女王の半生を題材にして、彼が捨てるはずの祖国・韓国の同時代史を振り返るような作品を書いたのか、この事を触れて欲しかった。これは「嗚呼朝鮮」をはじめとする朝鮮戦争を描いた諸作品にも言える事だが、張赫宙は素材を集めて作品を組み立てられるだけの力量があるから、もし彼が初期の作品を推し進めた作品を書き続けていたら、優れた作品を残していたと思う。
 「英親王李垠伝」の序文にあるように「一生本心を語る事もなく、何かに感想を書き残す事もなく、不幸な日韓関係の時代を孤独に生きられたのであろう」英親王を張赫宙が取材して「秘苑の花」は書かれているので、英親王を調べるに当たって数少ない史料のはずなのに、方子女王の伝記を書いた三氏が張赫宙の名前も「秘苑の花」という作品にも一言も言及されていない事に示されるように、何故か「秘苑の花」はほとんど眼中になかったとしか思えない。おそらく三氏とも張赫宙という作家の存在を御存知なかったので、「英親王李垠伝」に「秘苑の花」が紹介されているのに、関心すら持たなかったとしか思えない。特に「朝鮮王朝最後の皇太子妃」の著者は、この本を刊行された時点では張赫宙は健在なので、自称英親王の元「婚約者」閔甲完より「秘苑の花」という作品に関心を持って、彼を取材して、張赫宙に蔵書を貸した趙重九元男爵には取材しているから重ねて事情を聞いていれば、「秘苑の花」が執筆された背景を知る絶好の機会があったはずだ。「朝鮮近代の知日派作家、苦闘の軌跡」を読めば、ちょうど「朝鮮王朝最後の皇太子妃」を執筆されている頃に張が取材に応じている事が分かるので、余計だ。
 「三代の天皇と私」と「歳月よ王朝よ」の中にある記述が「秘苑の花」の内容と酷似している箇所がある事に気がついた人はいるのだろうか。
 「朝鮮王朝最後の皇太子妃」には、李'公が広島の原爆で薨去した時に、「'爆死の報に垠は、『とうとう日本に殺された!』と呻くような声を上げ、方子はそれを消え入りたいような思いで聞いた。」(単行本版166頁)とあるが、この本の筆者を含めて誰も重要な意味を持つ事に気がつかないらしい。「秘苑の花」は高宗毒殺説を取り入れているので、病死説を書いた「李王宮秘史」の著者の権藤四郎介などが雑誌で「秘苑の花」が掲載された時にクレームをつけた理由は、これだと思う。それに対して張が単行本化する際に英親王にお伺いを立てたが、「そんな事はない、あれでよいと強く仰言たので、訂正しなかった。」(後記)と読める。英親王が両親に強い愛情を抱いていたのは分かるから、内心日本を憎んでいたのではないか、と思う。
 英親王と方子女王に対して点の辛い「徳恵姫」の著者は「秘苑の花」を読んでいないと思うが、もし「秘苑の花」を読めば激怒しそうな箇所があるのだが、そこはそのままなのだが。
 これからは「秘苑の花」を読んで、英親王と方子女王について書かれるだろう事を思うと、復刻されたのは慶賀すべきだ。

 

木枯らしの舞

悟 謙次郎
ISBN 978-4-7634-1059-7 C0093 本体価格 1500円
判型 四六判並製 320頁 発行日 2014.2

大学入試という絶望を登り切ると、その先はなだらかな台地が拡がっていた

世の多くの人々が所得倍増にうつつを抜かしていたあの時代、入試疲れの学生たちは、足元の大学教育の実態など、ほとんど関心がなかった。
変わりゆく時代を生きた若者たちがたどりついた輝ける時──青春の、光と影。

好評既刊『俺たちの十七歳』古都監禁の日々』


悟 謙次郎(さとり・けんじろう)
1944年、鳥取県境港市生まれ。鳥取県立境高等学校から青山学院大学法学部に学ぶ。
青山学院高等部事務長、青山学院法人本部秘書室長、青山学院法人本部総務部長を経て、フリーライターに転身。
 

 

 

文学に映る歴史意識

現代ドイツ文学考

鷲山恭彦
ISBN 978-4-7634-1058-0 C3090 本体価格 2500円
判型 A5判上製 280頁 発行日 2013.11

構想から十五年、ドイツ文学研究の大家、主著ついに上梓!

ドイツ文学激動の200年
歴史に向き合った文学者たちの群像

ゲーテ、シュトルム、トーマス・マン、ブレヒト、アンナ・ゼーガース、ハインリッヒ・マン、ルカーチ、ギュンター・グラス、クリスタ・ヴォルフ、ハイナー・ミュラー

いま、よみがえるドイツ文学の息吹

鷲山恭彦(わしやま・やすひこ)
1943年静岡県生まれ。東京大学人文科学研究科独語独文修士課程修了。専攻はドイツ文学・ドイツ社会思想。東京学芸大学教授を経て、東京学芸大学学長。現在、奈良教育大学理事、国立青少年教育振興機構監事。
 

 

 

勇気をくれる、インドのことわざ

幸せをつかむ、タミル魔法のことば

ニルマラ 純子
ISBN 978-4-7634-1057-3 C0098 本体価格 1600円
判型 四六判並製 200頁 発行日 2013.10

インド出身、ビジネスウーマンを支えた伝承の知恵

数千年の時をこえ今に伝わるインドの叡智
これで人間関係が円滑になる !!

インド出身、日本で企業、成功した著者が、心の強さの秘密を伝授します! 古いことわざに特徴的な、身が引き締まる思いを抱かせつつ、ほっとするような味わい深い箴言集です。

ていわ・ニルマラ・じゅんこ
法政大学(イノベーションマネジメント専攻 経営管理修士)卒業。日本国籍を取得。今日までの 13 年間、日本企業の海外ビジネス展開、外資系企業の日本市場への参入の橋渡し役として活動し、日印コンサルタント会社起業を経て現在インドビジネスアドバイサーとして活躍している
 

 

 

TPP 本当のネライ

あなたはどこまで知っていますか

板垣英憲
ISBN 978-4-7634-1056-6 C0036 本体価格 1500円
判型 四六判並製 256頁 発行日 2013.9

●TPPとアメリカの食糧支配
●TPP最大のネライは保険──生保と「かんぽ」、国民の資産が狙われている
●国民皆保険制度の崩壊──混合診療導入で医療の格差社会へ
●TPP参加でさらなる雇用の流動化──自由解雇の時代へ
●「国防軍」は米軍の肩代わりをするだけ、軍産協同体に食い物にされる防衛省

板垣英憲(いたがき えいけん)
1946 年8月7日、広島県呉市生まれ。毎日新聞東京本社入社。社会部、政治部、経済部記者を経て政治経済評論家となる。著書は『戦国自民党50 年史』(花伝社)『政権交代──小沢一郎最後の戦い』(共栄書房)など132 冊。
 

 

 

古都監禁の日々
悟 謙次郎
ISBN 978-4-7634-1055-9 C0093 本体価格 1500円
判型 四六判並製 280頁 発行日 2013.5

「そうだ、京都にしよう」
これから始まる一年間の浪人生活を、
伝統と四季に彩られる古都で送ることを
決意したのである

京の街に祇園囃子が流れるころ、「監禁生活」に身を投じたはずの若者達は、悶々とした苦痛の中にいた。自由を謳歌すべき青春のこの日々を、受験というしがらみを引きずったまま、今日も懸命に生きていた。

好評既刊『俺たちの十七歳』

悟 謙次郎(さとり・けんじろう)
1944年、鳥取県境港市生まれ。鳥取県立境高等学校から青山学院大学法学部に学ぶ。
青山学院高等部事務長、青山学院法人本部秘書室長、青山学院法人本部総務部長を経て、フリーライターに転身。
 

【書 評『日本海新聞』2013年5月31日付 

'63 京都での浪人生活描く─境高OBが青春小説第2弾を出版

境高OBの悟謙次郎(本名・青砥基)さん(69)=東京都町田市=が青春小説3部作の第二弾「古都監禁の日々」を出版した。1月の「俺たちの十七歳」に次ぐもので、1963年当時の京都での浪人生活をモチーフに、古都の魅力と若者たちの成長や恋を描いている。
小説は、境港市の高校卒業後、親元を花出て京都市の予備校の学生寮で過ごす男子浪人生・謙二が主人公。東京オリンピック開催を翌年に控え、東海道新幹線開業に向けた工事が進むなど、日本の現代史が大きく変わろうとしていた年である。
謙二はただ単に翌春、どこかの大学に入学するためだけでなく、長い人生の中で捨て石のような微妙なこの1年を、後の日、必ず効き石となるよう有意義に生きたかった。受験勉強の傍ら古都を歩き、歴史や文化、生活している人々の生の声に触れる。同郷の仲間達と大阪や神戸でミニ同窓会も。
夏休みで帰省のために乗った京都発の急行白兎で、アナウンサーを目指す鳥取市出身の女子大生と運命的に出会う。謙二は大切な人との約束を果たすべく、勉強に打ち込む…。
青砥さんは「京都での浪人時代の体験を基に、今日との魅力に人間模様を絡めた小説にした」と話している。(酒井健治)

『日本海新聞』2013年7月19日付け「散歩道」より

同級生悟謙次郎の2作目『古都監禁の日々』が出版された。小説の冒頭しばらく続く京都の街中の詳細な描写は、街をよく知る人はともかく、土地勘のない者にはまるで迷路のようだが、作者の京都への深い思い入れを感じさせる。
浪人生活を京都に決めた主人公斎藤謙二は自分の置かれた立場をしっかり認識し、目的を定めて将来のための基礎固めをしようと勉強に励んでいる。京都の町を逍遙して長い歴史を重い、街の息吹に触れ、同級生と交歓しながら、京都育ちの女性と知り合ったり、規制の列車では郷里の女子学生に会い恋に落ちる。ときには「…寂しい訳でもむなしい訳でもない、どちらかと言えばうれしいと言った方が近いかもしれない」と漠然とした不安と喜びを抱えながら、それでも自分が置かれた立場を踏み外さないよう自身を律している。だが、どちらかといえば、主人公は京都という場所には監禁されたのかもしれないが、心は青春を楽しんでいて、監禁と言えるほどの生活には思えない。こういう明るく華やかな浪人生活だったら私ももう一度やってみたいほどだ。
作者は長く事務や総務の立場から高等教育に携わり、いまの若者の生活や受験事情にも詳しい。そんな若者たちを見続けてきた立場から、50年前の時代背景で今の若者たちを描いているのだろう。今も昔も浪人生の立場はなんら変わることはないと教えている。
人生には避けて通れないときや物がある。そのときそのときの決断で後の人生は変わる。はたして最前の方法を尽くしたのか、繰り返せないだけに謙二の苦悩と半生は続く。希望校に合格を果たした謙二の大学生活は、それを見守る親子と共にどう展開してゆくのだろうか。あのころの大学はまさに動乱の時代であったが、恋の行く末と共に第3部作の展開が楽しみになってきた。(森脇建夫 境港市38歳)  

 

毒婦伝説
高橋お伝とエリート軍医たち
大橋義輝
ISBN 978-4-7634-1054-2 C0036 本体価格 1500円
判型 四六判並製 176頁 発行日 2013.4

"元祖毒婦"高橋お伝
消えた肉体の一部をめぐる謎、歴史の闇

最後の斬首刑に処せられ、ゴシップ報道のさきがけとなった
「明治の毒婦」お伝の実像。
彼女の陰部を標本にして隠匿した帝国秘密組織・731部隊の軍医たち。
そこには、驚愕の事実があった!
謎解き・高橋お伝東京歩き

 私がこの明治時代の事件をいま取り上げてみようと思ったのは、処刑後、お伝の「陰部」が切り取られ、それが国家レベルの機関で保存されてきたという異常性である。果して事実なのであろうか。万が一事実だとしたら、アルコール漬けまでして保存の指揮をとった人物は一体誰か。何のための研究で、保存する意義とは何だったのか。
 お伝の肉体の一部が万が一存在するならば、一刻も早く成仏させねばならぬ──ある種の使命感のようなものに、私は突き動かされていったのである。
[本文より]

大橋義輝(おおはし よしてる) ルポルタージュ作家。 元フジテレビ記者・プロデューサー。元週刊サンケイ記者。 著書に『おれの三島由紀夫』(不死鳥社)、『韓国天才少年の数奇な半生』(共栄書房)、『「サザエさん」のないしょ話』(データハウス)。
大橋義輝の既刊本→『韓国才少年の数奇な半生』
 

【書 評『ダ・ヴィンチ』2013年8月号(メディアファクトリー)
「七人のブックウォッチャー 絶対読んで得する14冊」 

ノンフィクション/事件
読得指数 女の哀れさ★★★★★
東えりか
毒婦と呼ばれた女の悲しき末路

毒婦お伝は大変美しい人だったという。事の発端は、明治の初期に起こった殺人事件だ。最愛の恋人を守るため、体で金を稼ごうとしたところ、相手の男が拒否したため剃刀で殺す。逮捕されたお伝に下された罰は斬首であった。お伝は解剖され、性器だけがアルコール漬にされて東京帝国大学医学部に保存されたらしい。解剖に関わったエリート軍医たちの多くは日本陸軍の731部隊に所属していた。著者はこの標本を探して東大にも忍び込むがみつからない。
処刑から約50年後、「阿傳陰部考」というその部分の論文が書かれた。敗戦直後「若き人々におくる『性生活展』」で展示され、その10年後、今度はなんと都内のビルのゴミ捨て場で発見された。持ち主は意外な人物だった。死して100年も恥辱を晒されたお伝が気の毒で仕方がない。せめて今は安らかに眠っていることを祈るだけである。

東えりか
あづま・えりか●新刊ノンフィクション紹介サイト『HONZ』副代表。1985年より北方謙三氏の秘書を務め2008年に書評家として独立。新聞、雑誌で主にノンフィクションを担当する。サイト「NEWS 本の雑誌」の記者でもある。時代小説も守備範囲。

 

【書 評『上毛新聞』2013年5月5日 

明治時代初め、強盗殺人事件で斬首刑となった高橋お伝。残忍な犯行に走った女をめぐっては、解剖された遺体の一部が今も存在するという“伝説”さえ残る。当時の資料や関係者の手記などを手がかりに、元週刊誌記者の筆者が真相を追う。
お伝は幕末の1850(嘉永3)年、現在のみなかみ町下牧に生まれた。上京後の76(明治9)年に金銭トラブルから古物商の男性を殺害し、金を強奪する。
事件は事実と離れながら小説や歌舞伎に仕立てられる一方、極秘に作られた遺体の標本が出回る事態も発生。その保管先を突き止めて成仏させようと、関係機関を訪ね歩く。
筆者の取材はみなかみ町にも及ぶ。お伝の実母の子孫の証言で、ハンセン病に苦しむ最愛の夫を、献身的な看護で支えた慈悲深い一面を知る。「怒りと使命感」で書かれた本書は、お伝の虚像を正す挑戦でもある。

 

【書 評『週刊現代』 2013年6月29日号
ブックレビュー3
日本で最後に斬首刑となったお伝は本当に毒婦だったのか
男たちの「罪」を暴く
評者 植島啓司 宗教人類学者

「毒婦の本が出たのですが」と言われて、反射的に「高橋お伝?」と口に出たのは、いかに彼女のイメージが「毒婦」という言葉と重なってきたかということであろう。いまなら、木嶋佳苗、林眞須美、上田美由紀らの名が挙がるのだろうが、明治以降、「毒婦」という言葉は、高橋お伝か、または、愛する男のペニスを切り取ったことで知られる阿部定によって代表されてきたのだった。奇しくも、お伝の局部も誰かの手によって切り取られ見世物として展示されたという記録が残されている。実際そんなことがあったのかどうか。
 高橋お伝(本名・でん)は一八五〇年群馬県生まれお金に困って異母姉の夫で古物商の後藤吉蔵から借金し、返済に窮して旅館で彼の喉を掻き切ったと伝えられている。その罪で一八七九年(明治十二年)、記録に残る最後の斬首刑に処せられているのだが、では彼女はそれほど悪辣な女性だったかというと、まったくそんなことはなく、貞女だっという説もあるくらい。事件の真相は、お伝をなんとか自分のものにしたいと考えた吉蔵が「どこかで一泊しないか(それなら借金に応じよう)」と誘い、床をともにした後で、すっかり態度を変え、「そんな大金あるものか」と言い放ったことがきっかけだという。そうなると、お伝の罪は罪として、どう考えても悪いのは、いわゆる「やり逃げ」しようとした吉蔵ではなかったか。
 著者は、お伝の局部の写真が学術誌(犯罪人類学?)に載せられたこと、一九三九年前後の警察博覧会(部外者禁)で展示されたこと、さらに、浅草松屋での「若き人々におくる性生活展覧会」で展示されたことなどをつきとめていく。実際そんなことが可能だったのか疑わしいところもあるのだが、阿部定が切り取った男のペニスも警察の防犯博覧会でホルマリン漬けのまま一般展示されたことがあるというから、お伝のケースもそれほど意外なことではなかったのかもしれない。
 本書では、お伝にかかわる人物を丹念に追いかけていくうちに、思いがけない歴史の裏面と向き合うことになる。いかなる事件も、実際に加害者を知れば知るほど自分たちとそれほど違っていないことに気づくし、むしろ、彼女を病理解剖した連中の方に異常なところがあると喝破した点は本書の収穫ではなかったかと思う。

うえしま・けいじ/'47年生まれ。関西大学教授、人間総合科学大学教授などを歴任。『日本の聖地ベスト100』他多数

【書 評『産経新聞』2013年5月12日

 世に「毒婦」といえば、高橋お伝の名前を思い浮かべる人は少なくないだろう。明治9年8月、東京・浅草の旅館で、喉を剃刀(かみそり)で掻(か)き斬られた無残な男の死体が発見された。所持金は奪われ、「姉の仇」という旨の書き置きが残されていた。強盗殺人容疑で逮捕されたお伝は死刑判決を受け、明治12年、市ケ谷監獄で斬首された。

 処刑後、お伝の「陰部」が切り取られ、現在の東京大医学部の標本室に保存された、という異常性の真偽をめぐって、著者は筆をとった。伝説に隠されていた歴史の真実とは何かを、地道な取材で探り出したルポルタージュ。

【書 評『夕刊フジ』2013年4月24日

毒婦の元祖といえば、最期の斬首刑に処せられた明治女・高橋お伝だ。処刑後、なぜか局部をえぐり取られ、アルコール漬けにされ東大医学部標本室に保存されていると伝えられてきた。男を殺害した異常性欲者の毒婦だからと、世間の同情はほとんどなかった。
だが、毒婦のレッテルは、時の戯作者たちが作ったもの。なぜ、局部をアルコール漬けで保存したのか。指揮を執った人物はいったいだれか─。追跡していくと驚くべき事実が次々と明らかになっていった。たとえば、森鴎外の上司もお伝の腑分け(解剖)に立ち会っていたし、後に陸軍軍医学校校長となった人も2人含まれていた。
さらに世界的な医学者や、帝国陸軍731部隊に突き当たり。希代の毒婦といわれtお伝の実像と彼女の遺体をめぐるエリート軍医たちの不可解な足跡を追った興味深いノンフィクションだ。

 

自衛隊青春日記
小栗新之助
ISBN 978-4-7634-1053-5 C0036 本体価格 1500円
判型 四六版並製 168頁 発行日 2013.2

自衛隊員の青春

「お兄さん、いい体してるね。自衛隊に入らない?」
この一声から、私の人生は始まった。
初めての実弾射撃、ひと癖もふた癖もある仲間たち、
自衛隊機乗り逃げ事件の真相……

[目次]
第1章 陸上自衛隊入隊
第2章 航空学校~配属へ
第3章 飛行機乗り逃げ事件
第4章 居心地のいい場所
第5章 自衛隊員の青春
第6章 空の男達
第7章 自衛隊と私

小栗新之助(おぐり・しんのすけ)
1952年、群馬県生まれ。1972年、陸上自衛隊入隊、四年間の常備(現職)自衛官。除隊後、航空機エンジン製作会社就職の為渡英、その後ヨーロッパ各国を無銭旅行、数々のアルバイトを経験後に帰国。即応予備自衛官、予備自衛官として自衛隊を内外から見続ける。
 

【書 評『東京スポーツ』2013年2月22日
 40年前の〝自衛隊機乗り逃げ事件〟を覚えているだろうか。当時、世間を大騒ぎさせた事件の一部始終を目撃した、元同僚で現職予備自衛官の小栗新之助氏(60)が、表に出ることのなかった〝真実〟を明かした。
 自衛隊機乗り逃げ事件とは1973年6月23日夜、栃木県宇都宮市の陸上自衛隊北宇都宮駐屯地に勤務する飛行機整備士の3等陸曹(20=当時)が、LM-1と呼ばれるプロペラ機を操縦し離陸した事件。燃料は5時間20分相当が入っており、3等陸曹と航空機はそのまま姿を消した。
 当時は「3等陸曹が酔って突然航空機を操縦したくなった」と報道された。だが、25日発売の著書「自衛隊青春日記」(共栄書房)で、事件の秘話を公開する小栗氏は「酔ったうえでの突発的な犯行ではない」という。「何㌧もある格納庫の扉の開閉や航空機の出し入れは1人で簡単にできるものではなく、準備しなければ不可能に近い。事件が起きたのは敷地内に人が少なくなる土曜日でした。また、事件前に3等陸曹は操縦士になるための試験を同期と3人で受験して1人だけ落ちていました。その影響もあったと思います」
 小栗氏はこの3等陸曹と一緒に成人式にも出席した仲。事件の少し前には不審な様子も目撃したという。「駐屯地内の道の隅で見かけない革ジャンの男2人とひっそりと話し込んでいるのを見たんです。あれは何だったのか今でも気になっています」
 3等陸曹は生死不明のまま懲戒免職に。事件後に国内での墜落情報はなく、小栗氏は「日本海で墜落したか、もしくは北朝鮮に飛んだ可能性もあります。70~80年代は向こうの工作員が多く日本に入国していました。そういった人間が協力したと考えると納得いく部分もあるし、航空機の燃料も北朝鮮ならなんとか届く量でした」と指摘する。真相は果たして──。

【書 評『朝日新聞』群馬版2013年3月30日付

陸自40年前の青春像

前橋の予備自衛官、回想記を出版
前橋市在住の自営業男性(60)が、40年前の陸上自衛隊での生活をつづった本を出した。「自衛隊青春日記」(小栗新之助著、共栄書房、1575円)。今も予備自衛官の男性は、東日本大震災など災害派遣での活動を頼もしく思う一方、隊員の気質の変化を憂い、出版に踏み切ったという。

「仲間や上官、個性的だった」
自衛隊員による回想記は、警察官らと比べて少ない。出版社も帯で「誰も語らなかった自衛隊員生活体験記」とうたう。男性も実名ではなく、業績の再評価が進む群馬ゆかりのばく進、小栗上野介にちなんだペンネームで出版した。
描いたのは1972年から4年間の現役時代だ。新町駐屯地(現・高崎市)で健康診断を受けて入隊。実弾射撃など厳しい訓練の一方、巨大な食堂や浴場、映画館もある駐屯地で、「ひと癖もふた癖もある」仲間と喜怒哀楽の人間ドラマが繰り広げられる。
自衛隊の創設は54年。「当時は色眼鏡で見られ、行き場のない若者の就職先でもあった」と男性。だが、谷川岳での遭難者救助など任務は命懸け。「個性的な面々との日々は、今も輝きを放っている」
73年、当時いた宇都宮市の駐屯地で「飛行機乗り逃げ事件」が起きた。飲酒した3曹がプロペラ機で飛び去ったとされるが、3曹も機体も見つかっていない。男性は当直だったが、異変に気づかなかった。捜索後の朝礼で、駐屯地司令が全隊員に告げた。「何も恥じることはない。責任は、すべて自分にある」。「自衛隊に残った最期のサムライのように思えた」
男性は海外で就職するため、現役生活を終えたが、その後も即応予備自衛官、予備自衛官を務め、通算41年間、自衛隊に関わり続けている。年に1度、5日連続で訓練に参加し、現役の自衛官とも交流する。
その中で、バブル崩壊のころから年々、危惧を強めてきた。「高学歴になったが、コミュニケーションの取れない隊員が増えた」。駐屯地に通う車の色まで部下に指示する幹部も見た。「悪い意味で『公務員化』し、40前の『輝き』や『サムライ』が失われていった」。近年の近隣国との関係悪化もあり、「今の自衛隊で大丈夫かとの思いが、本を執筆した最大の動機」と言う。
還暦を機に日記や写真をもとに半年がかりで書き上げた。親しい現役隊員からも「自衛隊は外圧がないと変わらない」と後押しされた。
今年で予備自衛官も退役。男性は「自衛官には失われたものを取り戻してほしい。一般の人にも自衛隊について知ってもらえたら」と願う。(小林誠一)

 

俺たちの十七歳
悟 謙次郎
ISBN 978-4-7634-1052-8 C0093 本体価格 1500円
判型 四六版並製 224頁 発行日 2013.1

いま団塊の世代から贈るこの一冊
君たちに伝えたい!
だれもが輝いていた青春があった──

戦後、貧しかった日本が、それでも元気に輝いていた時代
だれもが懸命に駆け抜けてきた懐かしい時代
いま最前線を譲り渡し、一時の安らぎを得て、
あの頃を赤裸々に振り返る──

鳥取県境港市を舞台に繰り広げられる、
ある高校生達の青春小説

悟 謙次郎(さとり・けんじろう)
1944年、鳥取県境港市生まれ。鳥取県立境高等学校から青山学院大学法学部に学ぶ。
青山学院高等部事務長、青山学院法人本部秘書室長、青山学院法人本部総務部長を経て、フリーライターに転身。
 

【書 評

『日本海新聞』2013年2月8日
 本年度は同級生の活躍が目覚ましい。一人は角護氏。平成24年度の鳥取県文化功労賞を受賞され、その記念巡回展が米子コンベンションセンターでも10日まで開催されます。誠におめでたいです。
 もう一人は、1月「俺たちの十七歳」と題して小説を出版したペンネーム悟謙次郎。作者は東京へ進学し、そのままとどまってサラリーマン生活を終えました。その後、何が彼を突き動かしたのかは分かりません。満天の星と流れ星の下、小船の上での濃厚なラブシーンの描写などは圧巻で、感嘆するばかり。無論フィクションですが、あのころは誰もが夢見たシーンに違いありません。ただ地名や駅名、大山などが実名で登場するのは、なぜか誇らしく感じます。
 話は1961年の高2の境高校が舞台になっていて、高校の年間行事が見事に正確に再現され、共に過ごした者にはまるで記録映画を見るようです。特に夏休み、七類や片江でのキャンプの描写は、草木や磯の香り、太陽の熱までも感じさせてくれます。作者は架空の人物を描き、話させていますが、読めばモデルはあの人か、あの先生かなと推測されたりして、青春の追憶は際限がありません。
 しかし単なる青春の回顧ではありません。話はあの時代を背景にしながら、実は今を語っています。政治、経済や外交、国防の基がまさに55年体制として固まりつつあるときであり、それがどういう意味を持ち、どう今に影響を与えているのかを考えさせているのです。「これからどうするのだ」と。
 この本は境港市図書館に寄贈してありますし、インターネットでも購入することができます。近くの書店を通して申し込んでもいいでしょう。そして続編ともいえる「古都監禁の日々」「木枯らしの舞」もおそらく年内に発刊になると思われます。ぜひご期待ください。(森脇 建雄 境港市66歳)

『日本海新聞』2013年3月22日 酒井建治
 境高校OBで、大学進学後東京でサラリーマン生活を送って退職した東京都町田市のフリーライター、悟謙次郎(本名・青砥基)さん(68)が、1961年当時の郷里での多感な高校時代をモチーフに、小説『俺たちの十七歳』を全国出版した。戦時中に生まれ、高度成長第一期に青春を過ごした世代の心情を、恋や友情、母校の学校行事や島根半島や大山などの自然風景を交えて生き生きと描いている。
 小説は、境港市にある架空の県立砂海高校に60年に入学した生徒たちの物語。この年、日米安保闘争が活発化。10月に日本社会党の浅沼稲次郎委員長刺殺事件が起き、12月には池田勇人首相が所得倍増計画を発表する。
 翌年、進級した2年4組の生徒たちの1年間が小説の大半を占める。夏休み中の8月の初め、みんなで企画して島根半島の美保関町七類(現松江市美保関町)での2泊3日のクラスキャンプに出掛ける。男女が分担協力しての作業、穏やかな海や星空の自然の中での開放感、キャンプファイヤーでの歌や仲間との楽しい語らい…。
 幼なじみの男女の夜の海の手こぎ舟でのロマンチックなシーンや、政治問題や家族をテーマにしたグループ討論の場面など、貧しくも輝いていた半世紀前の時代の若者の姿や思いをあぶり出している。
 境海水浴場での遊泳大会、5千メートル競走、ボートレース大会、秋の大山遠足など学校行事の描写も興味深い。
 青砥さんは「昔のことを思い出しながら作り話を書いてみた。当時は物がない時代だったが、苦労とは思わず楽しかった」と話している。
 『俺たちの十七歳』(共栄書房)は1500円(税別)。全国主要書店で販売中。5月には浪人時代を描いた二部作『古都監禁の日々』が発売予定。

『日本海新聞』2013年3月25日「海潮音」
「物がなくても苦労とは思わず楽しかった」。半世紀前の郷里・境高での高校生活を基に小説『俺たちの十七歳』を出版した東京都町田市の青砥基さん(68)は、そんなメッセージを込めたという◆同窓の10期先輩の青春小説を興味深く読んだ。青砥さんらは、戦時中の1944年から45年に生まれ、日米安保闘争の60年に高校進学、翌年の2年4組の生徒たちの友情や恋などを描いている◆酒好きの老担任教師は、俳優の森繁久彌の義兄にあたる当時の境校教員がモデル。幼なじみの男女生徒のサマーキャンプの夜のたゆたう手こぎ舟での濃厚なラブシーンは、願望を込めて創作したという◆クラス討論のせりふは時代を反映している。「個人個人が意に反して国の犠牲になるような社会は不幸だ。二度と繰り返してはならん」「我々は政治に関心を示し、言うべきことは言わなければならないのだ」◆青砥さんらの世代は、高度経済成長の担い手となった。半世紀後の今の17歳は物があふれる一方、増え続ける高齢者を支えていく運命を背負う。時代背景は対照的だが、いつの世も若者が次代を切り開く。精神的に豊かでグローバル時代に対応した社会作りを願う。

 

法学館憲法研究所双書 憲法の本 改訂版
浦部法穂
ISBN 978-4763410481 本体価格 1800円
判型 A5判並製 194 発行日 2012.3
憲法について本気で考えたい人のための『憲法の本』
日本国憲法が注目されているときだからこそ、
憲法の原点と生命力を伝える。

大学の教科書、市民の教養書として読み継がれてきたものを新判例などを追加して改訂。
国会議員たちのあいだで「改憲」議論が盛んである。歴史上のできごとや現実にあった憲法事件を織り込み、憲法の規範と現実を具体的に解説。図やコラムも多数収録。憲法について本気で考えたい人のための「憲法の本」。
浦部法穂
1946年愛知県生まれ
東京大学法学部卒業。現在名古屋大学大学院法学研究科教授。法学館憲法研究所主席客員研究員。特定非営利活動法人「人権・平和国際情報センター」理事長。

●2刷●

 

 

アンナチュラル―小説・自閉症〈上〉
竹内 願人
ISBN 978-4-7634-1050-4 C0093 本体価格 1500円
判型 四六版並製 280頁 発行日 2012.12

自閉症発症は本当に先天的原因のみによるのか──
自閉症の原因を探る旅を経て、解き明かされる人類史的謎

自閉症の本当の原因は何か
一枚の絵に描かれたメッセージを手がかりに真実探求の旅に出た、駆け出し新聞記者と若き精神科医のたどる運命


駆け出し新聞記者の白川由岐枝は、先輩の記者から受け継いだ自閉症の取材を始めたが、微妙な問題に直面していく。ある日、六本木の国立美術館で自分が興味をもった絵をじっと見続ける青年と出会う。後日、自閉症の学会に出向いた際、美術館で見かけた青年、精神科医の古谷信一郎に出会う。取材を続ける由岐枝は、自閉症者の起こしたバスジャック事件に巻き込まれていく。自閉症解明の手がかりになりそうな幼稚園の園長はその事件で亡くなってしまったが、古谷とともに、ある組織の誘導によって自閉症解明の世界へ足を踏み入れていく―。

竹内願人(たけうち・がんじん)
1950年生まれ。
医学の世界に住して三十数年。医学論文、医学書多数。
  ●4刷●

 

アンナチュラル―小説・自閉症〈下〉
竹内 願人
ISBN 978-4-7634-1051-1 C0093 本体価格 1500円
判型 四六版並製 268頁 発行日 2012.12

自閉症発症は本当に先天的原因のみによるのか──
自閉症の原因を探る旅を経て、解き明かされる人類史的謎

自閉症を解く手がかりは
仏教思想・唯識にあった──


自閉症の原因を解明する新聞記者の白川由岐枝と精神科医の古谷信一郎は、国際的な組織の導きによって自閉症の真実を追究する医学者や宗教者に出会い、彼らから人間の認識の発達について理解を深めていく。同じく自閉症と早期教育の関係を追い続けるフリージャーナリストの椎名麻紀も、取材を進めていくうちに仏教思想「唯識」に到達する。古くから人類の叡知が警告し続けた真実を、ルソーの『エミール』とオスターデの絵、仏教の教えに見出す探究者たち。彼らはやがて、運命の糸によってつながれていく―。

竹内願人(たけうち・がんじん)
1950年生まれ。
医学の世界に住して三十数年。医学論文、医学書多数。
   

 

実録高校生事件ファイル
和田 慎市
ISBN 978-4763410498 C0037 本体価格 1500円
判型 四六版並製 232頁 発行日 2012.6.20
これが教育の現場だ! エリート教育だけが教育じゃない
現役教師が綴った事件処理の日々。窃盗、恐喝、薬物汚染、いじめ、リンチ、集団犯罪、モンスターペアレントや弁護士との戦い…体を張った格闘の日々を経た、ある教師の伝えたいこと。私はこうして社会の土台を支える人間を世に送り出してきた―30の「事件」が語るリアル教育現場。


[目次]
第1章 高校生編    
    「凶悪事件発生!」「番長vs教師」 etc...
第2章 部外者編
第3章 モンスターペアレンツ
第4章 教師の果たす役割とは
    「どこまでが学校の責任なのか」 etc...

和田慎市(わだ しんいち)
1954年、静岡県生まれ。東北大学理学部卒業。公立高等学校社会科教員。
1978年より進学校、職業校、新設校、教育困難校、定時制、単位制など、10校もの異なるタイプの公立高校に勤務し、多種多様な生徒達と接する。
中でも教育困難校・定時制高校の勤務が長く、生徒指導の実践経験が豊富である。
 

【書 評】 『日本教育新聞』2013年1月14日
「世間一般では当たり前に思われている『まずは高校卒業』という認識は、教育困難校において常識とはなりえないということである」。著者のこうした思いは、読後、理解できる。教育を論じる有識者やマスコミ関係者らは「問題行動が少ない進学校出身者が多い」ために、教育困難校の存在を実感しにくいというのも、その通りであろう。  
 事件ファイルで語られる生徒たちは生徒指導の力のある教員にとっても、一筋縄ではいかない者が多い。それに輪を掛けて、生徒を守ろうとする保護者の介入もある。高校生編から部外者編、モンスターペアレンツ編と、著者が遭遇してきたさまざまな事件が目の前で繰り広げられる。  
 クラス内の問題児に対応できず、生徒の問題行動が続出したという20代担任時代の片りんはない。厳しい生徒指導の経験の積み重ねが著者に自信を与え、問題を起こしたものの自らの口では語ろうとしない生徒と向き合ったときのやりとり、処し方は、文中にもあるように、まさに「"取調べのプロ"」である。
 生徒との関わり方はむろん、保護者への対応、保護者側の弁護士との対応、警察との連携の仕方などは、同じ悩みを抱える教員には参考になるのではないか。
 幼児期の土台作りから、中・高校、大学とつなげる人づくりを2世代繰り返せば流れは変わるという著者の期待は多くの人の願いでもある。(吹)

【書 評】 『読売新聞』(読書欄)2012年8月12日
 喫煙、窃盗、いじめ、集団リンチ、薬物──。まさに非行のオンパレード。ドラマの世界ではない。教育困難校の現実である。筆者はそうした現場で長く生徒指導を務めていた現役の高校教師。これまでに押印した退学届は700枚を超えるという。
 教育困難校は、ともすれば社会の視野から外れがちだ。しかしそこを学びの場とする生徒がおり、受け止める教師がいる。問題が起きた時、それは生徒の自己責任と割り切るのでなければ、教師は向こう傷覚悟で奔走するしかない。
 それでは責任は学校にあるのか、家庭にか、それとも社会にか。抽象的な教育論ではなく、目をそらさずに現実を見てほしい。そしてどうしたらいいのか考えてほしい。このファイルはそう訴えている。(哉)

 

検証・新ボランティア元年
被災地のリアルとボランティアの功罪
笠虎 崇
ISBN

978-4-7634-1047-4 C0036

本体価格 1500円
判型 四六版並製 240頁 発行日 2012..3.11
3・11以降、被災地であらわになった日本の縮図
被災者の心の叫びを聴け!
「絆」ではなく「歪」が見えた——
大手メディアによって増幅された復興美談・絆美談に一石を投じるリアルルポ
「絆」に酔っているのは被災地以外の人間だけだ── 


[目次]
第1章 被災者のリアル
第2章 見えない恐怖に翻弄される被災者
第3章 ボランティア迷惑論のウソ
第4章 自己満足ボランティア
第5章 まとまらない被災地、復旧にこだわる被災者
第6章 始まった自立支援のかたち

笠虎崇(かさこ たか)
カメライター(ライター&カメラマン)。これまで写真集11冊、ノンフィクション5冊の著書。『工場地帯・コンビナート』(グラフィック社)『サラ金全滅』(共栄書房)など。ネット上では「かさこ」の名で活動。
1975年生まれ、横浜在住。

 

 


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